最近は鳥の飼育本が増えましたね。
たくさんある飼育本の中からどれを選んだらいいのか迷うほどです。
今回は、今年発売されたBIRDSTORY著『インコの飼い方図鑑』について、おすすめポイントを紹介します。
『インコの飼い方図鑑』は、鳥のお迎え前のこと、鳥の種類の選び方、お世話の仕方、スキンシップのとり方、病気のことなど鳥を飼うにあたって必要な知識が網羅されています。
イラストも豊富でイメージしやすく、鳥を飼うのが初めてのあなたにも分かりやすい内容となっていますよ。
鳥を飼おうとしている人だけでなく、鳥の勉強をこれから始めようとする獣医師や動物看護師にもぴったりな本です。
まずは飼い方を勉強することが大事ですよね。
『インコの飼い方図鑑』おすすめポイント
1.イラストが多いのでイメージしやすい
この本の特徴の1つが、かわいいイラストが多いということです。
いままで鳥の飼育関連の本は何冊も買って読んでいますが、『インコの飼い方図鑑』は他の本に比べてとくにイラストが豊富。
やさしい色合いでカラフルなイラストなので、女性が好む雰囲気があります。
わたしも昔から鳥を飼っていて鳥好きなので、本屋で見かけたときについ手に取ってしまうようなかわいらしさがありました。
お世話の仕方や、スキンシップのとり方など、いろいろなところにイラストがあるので、実際に飼ったときの雰囲気をイメージしやすいです。
ときどき、「インコ飼いのあるある」など4コマ漫画もあるので、読み物としても楽しめるようになっています。
ただ、イラストが多い分、写真は少ないです。
イラストよりも写真を見たい場合には別の飼育本の方がいいかもしれません。
写真が多い飼育本が欲しい場合は、磯崎哲也著『幸せなインコの育て方』は実際の鳥やグッズの写真が豊富で見やすいです。
2.紹介されている鳥が多い
インコというとセキセイインコのイメージが強いですが、この本ではコザクラインコ、ウロコインコ、サザナミインコ、ヨウムなども紹介されています。
また、オウム科に分類されるオカメインコ、スズメ目に分類される文鳥やキンカチョウなどものっていますよ。
飼育方法に関しては、鳥の種類が違っても共通部分が多いので、飼い鳥の一般的なことが本では述べられています。
ところどころで鳥の種類の違いによる特徴の補足もあります。
どの鳥を飼おうか悩んでいる人には、鳥を選ぶ参考にもできるのでいいかもしれないです。
もし、飼う鳥の種類が決まっていて、その鳥についてもっと勉強したいなら、その鳥に特化した本がおすすめです。
ただ、一般的な知識をつけるなら『インコの飼い方図鑑』で十分足ります。
どんな種類の飼い鳥がいるのか知りたい場合は、小型の鳥がメインですが、島森尚子著『小鳥図鑑―フィンチと小型インコたちの種類・羽色・飼い方』も参考になります。
ウズラやフィンチ系の鳥も紹介されていますよ。
3.鳥を飼った時に困ることがQ&Aで解説
鳥に限らず、初めて動物を飼うときは知らないことも多いため、困ったり悩んだりすることが出てきます。
それを分かりやすくQ&Aで解説してくれます。
例えば、留守番させる時、鳥と一緒に外出するときってどうするんだろう?と思いますよね。
また、手をこわがって近寄ってこない、手にかみついてきて困るなんてことも。
飼い始めたときに困る内容が分かりやすく説明されています。
さらに、毛引き(鳥が自分の羽を抜いてしまう)やダイエットなど飼いなれてから起こりうる疑問点も解決できます。
飼い始めてからも飼いなれてからも、気になることがあった時に調べる手段としてこの本を使うといいですね。
4.鳥とのスキンシップのとり方もわかる
すべての鳥が最初から手乗りではありません。
最初は知らないところに急に連れてこられて緊張していることが多いです。
緊張している鳥との最初の1週間の過ごし方、徐々に手乗りにしていく方法などが書かれています。
鳥の好きなおもちゃの選び方やトレーニングの仕方、鳥のおやつのことも書いてあるので、すでに鳥を飼っている人にも参考になる内容です。
そして、鳥は実に感情表現が豊かな生き物です。
表情や行動でいろいろな感情を表します。
こういう動きをしたときは鳥はこんなことを考えているということが、イラストで分かりやすく解説されています。
『インコの飼い方図鑑』では鳥の行動学についても触れていますが、もっと詳しく学びたい場合は、青木愛弓著『インコのしつけ教室―応用行動分析学でインコと仲良く暮らす』を参考にしてください。
基本的な行動の考え方も載っているので行動学を基礎から勉強できます。
考え方は鳥以外の動物にも当てはまる内容です。
5.健康診断や病気のことを獣医師監修のもと紹介
『BIRDSTORYのインコの飼い方図鑑』の最後の方で、健康診断の様子や病気のことについて書かれています。
この章では実際の写真が少し載っていますが、病気の写真は小さめなので見にくいですね(どこが異常なのか分かりづらいかも)。
しかし、写真に関して良い点は、鳥の排泄物(鳥はうんちと尿まとめて出ます)の正常と異常なものが載っていることです。
こちらの写真は大きめなので分かりやすいですね。
鳥を飼う上で、排泄物をチェックすることは大事です。
排泄物を見ることで、鳥がごはんを食べてきちんと消化できているかチェックすることができます。
また、排泄物の状態を見ることで病気の診断につながることもあります。
正常なものと異常なものをなんとなくでもいいので、理解しておくことが大事です。
実際の病気の内容については、この本では簡単にしか書かれていません。
もし、病気のことについてもっと詳しく知りたい場合は『コンパニオンバードの病気百科―飼い鳥の飼育者と鳥の医療に関わる総ての方々に薦める“鳥の医学書”』という本がおすすめです。
鳥の体の構造から1つ1つの病気について詳しく書かれています。
わたしも獣医として鳥の診察を始める前、最初にこの本を読んで勉強しました。
実際診察を始めた時も飼い主さんへの説明のときなど、かなり利用しました。
鳥を飼い始めた人にはやや難しいかもしれませんが、愛鳥が何か病気になった時などに勉強するには良い本ですよ。
まとめ
『インコの飼い方図鑑』は、鳥のお迎え前のこと、鳥の種類の選び方、お世話の仕方、スキンシップのとり方、病気のことなど鳥を飼うにあたって必要な知識がつまった本です。
かわいいイラストでの説明で分かりやすいので、特に鳥の飼育初心者に向いています。
これから鳥のことを勉強しようと考えている獣医師や動物看護師にもぴったりです。
鳥の飼い方を説明するときに役立つでしょう。
まずは『インコの飼い方図鑑』を読んで基礎的な知識を身につけましょう。
さらに飼い鳥のことを学びたい場合は、これらの本で知識を深めるといいでしょう。
≪鳥の本の紹介≫
飼い鳥の種類を学びたい ➤ 小鳥図鑑―フィンチと小型インコたちの種類・羽色・飼い方
食事について学びたい ➤ インコの食事と健康がわかる本―食べる、食べないの心理的ケアからエサ選びまで
インコの心理を知りたい ➤ インコの心理がわかる本―セキセイインコとオカメインコを中心にひもとく
行動学やしつけについて学びたい ➤ インコのしつけ教室―応用行動分析学でインコと仲良く暮らすと遊んでしつけるインコの本―よい関係をはぐくむための遊びのレシピとしつけのミニ知識
おもちゃの作り方、遊び方を知りたい ➤ インコを幸せにするためのおもちゃ・アイデアブック: 問題行動の予防・環境エンリッチメントに
病気のことについて学びたい ➤ コンパニオンバードの病気百科―飼い鳥の飼育者と鳥の医療に関わる総ての方々に薦める“鳥の医学書”