犬や猫の治療費って高いですよね。
人と違って、犬や猫が動物病院で治療を受けた際に発生するお金は100%飼い主が負担します。
もしも手術が必要になった際は、手術だけでも数万円から数十万円とかかる場合も。
そんな時にペット保険に入っていれば、自分で負担する額が減ったのにと後悔する場合もあります。
わたしは約8年ほど動物病院に勤務して、いろいろな飼い主さんを見ました。
お金が払えないからと助かる見込みのある手術を断念する人、治療費が負担できなくなり通院をやめてしまった人など。
ペット保険に入っていれば、少しはお金の負担が減ったのになぁと感じることがありました。
そうは言っても、ペット保険に入るべきかどうか・・・、悩みますよね。
ペット保険は絶対入らないといけないわけではありません。
しかし、ペット保険も含めて、一度は動物にかかるお金のことを考えるということはした方がいいとわたしは考えます。
この記事では、一人の獣医師としてのわたしの考え、一人の飼い主としてのわたしの考えをお伝えします。
獣医さんも保険に関しての考えは人それぞれだと思いますので、1つの参考にしていただければ幸いです。
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- 犬や猫のペット保険は入るべきか?
- 犬や猫のペット保険に入った方がいい場合とは
- ペット保険の注意点
- おすすめのペット保険は?
- ペット保険を比較する時のチェックポイントは?
- ペット保険に入らないなら、ペット保険に入ったつもり貯金がおすすめ
- まとめ
犬や猫のペット保険は入るべきか?
ペット保険に入るべきか・・・
今後犬や猫にかかるお金が心配な場合は、このどちらかを考えましょう。
① 現時点であまり貯金がなく、将来満足いく治療を受けさせたい場合は、ペット保険の加入を考える。
② 今ある貯金から飼い犬、飼い猫の治療費にあてることができるお金を計算しておくことと、毎月積み立て貯金をしておく。
お金に関して心配があるなら、ペット保険の加入を考えてもいいでしょう。
特に、貯金するのが苦手な人ですね。
人と違って、動物の治療は100%飼い主の負担になります。
通院治療も負担してくれる保険内容ならば、たとえば皮膚のトラブル、嘔吐や下痢などちょっとした通院でも使うことが可能です。
ただ、大きな病気にならずに天寿を全うする場合もあるので、必ず入らなければいけないわけではありません。
年齢的にもうペット保険に入れない場合もありますしね。
このあと、ペット保険についてもう少し詳しくお話しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
犬や猫のペット保険に入った方がいい場合とは
ペット保険に入った方がいい条件について、わたしの個人的な考えをお伝えします。
犬種、猫種によってはペット保険に入った方がいい場合も
犬も猫も純血種の場合はペット保険に入っておいた方がいいかもしれません。
ほんとに個人的な印象でしかないですが、やはり雑種に比べると純血種の方がそれぞれの種ごとのかかりやすい病気になりやすく感じます。
犬の方が特にそうですね。
小型犬はペット保険を考えてみる
犬の場合、まずトイプードルやポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの小型の犬種は若い頃の骨折が多いです。
とくに、ペットショップなどで購入した場合は、小さいサイズの方が高く売れる、買い取ってもらえることから、大きくなりすぎないようにフードを制限する場合があります。
すべてのペットショップがそうだとは言いませんが、サイズが小さいのではなく、ただ単にガリガリに痩せてるだけの場合も。
まぁ、とにかくこういう小型の犬種は骨折しやすく、1度だけでなく2度3度と骨折することもあります。
購入してすぐに骨折して手術費用もかかる・・・。
保険に入っておくと安心です。
実際保険に入っていたことで金銭的負担が減って助かっていた飼い主さんもいましたよ。
治療費が高くなる大型犬もペット保険を要検討
大型犬は小型犬に比べると治療費が高くなることが多いです。
その理由は、体重が小型犬の何倍も重いため。
犬の場合は、体重によって注射の量や飲み薬の量がかなり違ってきます。
体重が重ければ重いほど、使う薬の量が多くなるのです。
そのため、飼い主が負担する費用も増えます。
大型犬の治療にかかる費用は高くなりがちです。
わたしもカルテを書いていて、金額に驚くこともありました。
大型犬を飼う場合は、ペット保険の加入も検討した方がいいかもしれません。
ただ、保険料も高くなることがあります。
いずれにせよ、大型犬を飼う場合はお金がかかるということを覚悟する必要がありますね。
犬や猫の年齢が若い場合
飼っている犬や猫の年齢がまだ若いうちは、ペット保険に加入することが可能ですし、ペット保険の種類によっては保険料が比較的安い場合があります。
また、若いうちはまだなにか病気になっている可能性も低いため、保険の適応になる病気も多いです。
すでになにか病気の経験があると、その病気に関する治療は対象外になることもあるので、注意が必要です。
犬や猫の年齢が若いうちに一度ペット保険について考えてみるといいですよ。
若いときは活発な分、例えば誤食、骨折、ケガ、交通事故などが起こる場合もあります。
急な出費があったときにペット保険に入っていると助かりますよね。
住んでいる地域のペットの医療費が高い場合
ペットにかかる治療費は、動物病院によって全然違います。
わたしが勤めていた動物病院は地方なので比較的良心的な値段でしたが、ちょっと都会に出ると驚くような値段のところもあります。
住んでいる地域の物価が高いと、動物病院の治療費も高い場合が多いです。
そのため、物価が高い地域に住んでいる場合は、ペット保険に加入した方が負担が軽くなる可能性があります。
貯金するのが苦手な場合
犬や猫は急に病気になることがあります。
実際は急に病気になるというより、徐々に病気が見えないところで進行している場合が多いです。
その後、吐く、ごはんを食べないなど症状として現れ出すと一気に調子を崩すこともあり、飼い主にとっては急に病気になったように見えるだけの場合も。
そして、急な出費につながるわけです。
普段からしっかり貯金をしていて、急な出費に対応できるなら問題ありません。
しかし、貯金もない、貯金するのが苦手な場合はペット保険の加入を考えてもいいのかなと思います。(貯金するお金がない、保険料を払うお金がないと言われるとそれまでですが。)
せっかく治療すれば治る可能性が高いのに、お金がないから治療できないとなると、その動物もかわいそうですし、獣医師側としてもつらいことになります。
ペット保険に入っていてくれればどうにかなったのかもしれないと思ったことが何度かあるので・・・。
ペット保険の注意点
ペット保険に加入しよう!と思っても、すでに入れない場合や補償されない治療もあるので、ペット保険の注意点を簡単に紹介します。
年齢によってペット保険に入れない場合がある
多くのペット保険は加入できる年齢に制限があります。
つまり、年をとっている犬や猫の場合は、もう加入できない場合があります。
ペット保険の種類によって、加入できる年齢が異なりますので、入る場合には注意が必要です。
すべての治療費用が負担されるわけではない
ペット保険は、動物病院でかかる費用のすべてが補償されるわけではありません。
時々、ワクチン接種の時や、避妊・去勢手術の時に保険が使えるか聞かれることがありましたが、このような予防に関わる費用は負担されないことが多いです。
ただし、治療に関わる避妊・去勢手術の場合は補償対象になることもあります。
また、保険加入前にすでに発症している病気がある場合、既往歴がある場合は、その病気の治療費は対象にならないこともあります。
動物病院でかかる費用のすべてがペット保険の補償対象にはならないので注意しましょう。
ペット保険は掛け捨てタイプの保険
基本的にペット保険は掛け捨てタイプの保険です。
(わたしは掛け捨てタイプのペット保険しか知らないので、もし掛け捨て以外の保険があったら教えてください。)
支払った保険料は返ってはきません。
そのため、犬や猫が健康に過ごしている場合は保険の恩恵を受けることはできないので、そのことは理解して入る必要があります。
おすすめのペット保険は?
最近はペット保険も種類が多くて、どれが選べばいいのか悩みますよね。
そんな時に便利なのが、保険スクエアbang! ペット保険のサイトです。
紹介されているペット保険の種類も多く、それぞれを比較することも可能。
じっくり比較するために無料で資料を請求することもできます。
人気ランキングも載っているので、他の人がどの保険に加入したのか、どの保険の資料を請求したのかが分かり参考になります。
一番メジャーで提携している動物病院も多いアニコムを基準に、このサイトで人気のあるペット保険の資料を比較しながら選ぶのがいいかもしれませんね。
ペット保険を比較する時のチェックポイントは?
では、ペット保険を比較する際に、ここは見ておいた方がいいと思うチェックポイントを紹介します。
加入できる年齢
まず第一に加入できる年齢はチェックしましょう。
ペット保険の種類によっては、すでにあなたの飼っている犬や猫が保険に加入できない可能性があります。
また、加入する年齢によっても保険料に違いがある場合もあるので、必ずチェックしましょう。
保険金の清算方法
まずは窓口清算できるかどうかです。
窓口清算は、一度治療分のお金を払って後から請求するというものではなく、その場で保険金を清算してもらえるというもの。
現在、窓口清算に対応しているのは、アニコムとアイペットのみです。
アニコムは多くの動物病院が提携していますが、アイペットに関しては提携していない動物病院もあるかもしれません。
アイペットの窓口清算の利用を考えている場合は、かかりつけの動物病院が対応しているかどうか前もって確認しておきましょう。
めんどくさがりなわたしの個人的な考えですが、動物病院に通う頻度が多くなったときは、窓口清算ができる方が便利だろうなぁと思います。
診断書の必要の有無
もう一つ、保険金の清算方法でチェックしておいた方がいいと個人的に思うのは、保険金の申し込みの時に獣医師の診断書が必要がどうかです。
または、必要書類の中で獣医師の記入が必要なところがあるかどうかです。
保険の種類によっては診断書や書類の記入が必要なことがあり、わたしも以前書いたことがあります。
そして、この診断書の発行や書類の記入に関しては、「文書料」としてお金がかかる病院もあります。
書類の記入をお願いする手間や費用も生じることになるので、確認しておいた方がいいでしょう。
補償内容
最後にペット保険の補償内容です。
大きなものとしては、手術、入院、通院の3つのうち全部が対象になるのか、一部のみ対象になるのかどうかですね。
1回の金額が大きくなる可能性の高い手術に注目しがちなのですが、実は一番費用がかかるのは通院なんてこともあります。
長期的に治療が必要な病気、一生治療をしていかないといけない病気の場合は、なんだかんだで通院費用が積み重なっていくことになります。
しかも、通院頻度が多い場合は特にです。
急に大きな費用がかかる手術もそうですが、通院の負担があるかどうかもチェックしておくといいでしょう。
ペット保険に入らないなら、ペット保険に入ったつもり貯金がおすすめ
もし、うちの子はきっと病気にならずに天寿を全うするだろうと自信を持っている場合、ペット保険に加入しないならば、ペット保険に入ったつもりで備え貯金をしておきましょう。
ペット保険に入ったつもりになって、たとえば毎月2千円ずつくらい積み立ててみてはどうでしょうか。
1年で2万4千円、10年後には24万円です。
結構いい額が貯まりますよね。
24万円もあれば、急に手術が必要になっても慌てなくてすみますよ。
ペット保険に入ったつもり貯金もおすすめです。
まとめ
犬や猫のペット保険は入るべきかどうかについて、わたし個人の考えもまじえながら紹介しました。
・若いうちに骨折しやすい小型犬
・治療費が高くなりがちな大型犬
・治療費が高い地域
・貯金がない、貯金が苦手な場合
このような条件に当てはまる場合は、ペット保険の加入を検討してみるといいでしょう。
また、飼っている犬や猫の年齢が若いうちに、一度はペット保険に入るかどうかを家族で話合うことも必要だと感じます。
いざという時に、後悔しないように今のうちに考えておきましょう。
そして、ペット保険の加入を考える場合は保険スクエアbang! ペット保険のサイトがいろいろな保険の比較ができるため、とても便利です。
動物の種類ごと、補償内容、補償割合など条件をつけて検索できる機能もあります。
また、無料で資料の請求もできるので、じっくり考えたい場合には、気になるペット保険の資料も請求してみましょう。
ペット保険に入る場合は、自分の求める条件に合ったものに入るのが一番ですね。
では、最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
ペットの保険やペットにかかるお金のことについて、考えるきっかになってくれれば嬉しいです。
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