夢中になれるものを失い立ち止まってしまった女子高生のあきら、
夢をあきらめたまま時が過ぎてしまったファミレスの店長の近藤
ふたりが出会ったことで、お互いの時計の針が動き出す
夢、青春、恋、友情・・・
いろんなことを経験してきた大人のあなたに読んで欲しい作品です。
こんばんは。
睦月とら子です。
「恋は雨上がりのように」は、今年の1月から3月までアニメが放送されていました。
原作漫画は、『このマンガがすごい!2016』にランクインした大注目作です。
私は、漫画のことは知らなかったのですが、アニメが始まる前に予告映像を見て、気になる作品だなぁと感じました。
実際アニメを観てみると、流れるようにスッと入ってくるストーリー展開にもかかわらず、終わったあとにいろいろな感情を植えつけられるような作品でした。
30代の私にとって、どこか懐かしい気持ちや、背中を押されるような気持ちを抱かされました。
そして、アニメを観た時の感情をもう一度味わいたいと思い、漫画を読むことにしました。
アニメを観て漫画を読みたいと思ったのは久しぶりです。
予告映像を見てこの作品が気になった人、この作品をすでにご存じの人に私が思うこの作品の魅力をお伝えします。
1.作品の魅力
ケガをしたことで陸上をあきらめてしまった17歳の女子高生のあきらと、過去に夢をあきらめてしまった45歳ファミレスの店長近藤。
あきらは店長に恋をします。
あきらのまっすぐでピュアな気持ちはとても可愛らしく映ります。
店長に恋をしたことで、あきらは前に進もうとし、少しずつ成長していきます。
店長もまた、あきらと接するうちに過去に置いてきたものに向き合うようになります。
ふたりがそれぞれ成長し、前に歩み始める姿に勇気がもらえる作品です。
1.登場人物
夢中になるものを見失った女子高生あきら
陸上をあきらめ落ち込んでいたところ、店長と出会います。
それをきっかけにファミレスでのバイトを始めます。
あきらの店長に対しての言動は、恋をした女の子そのものです。
時に可愛らしく、時に切なく感じます。
夢をあきらめて今を生きるファミレス店長
過去に 夢をあきらめてしまったファミレスの店長近藤は、どこにでもいるような普通の中年男性です。
あきらの若さをうらやましく思う一方で、あきらと接するうちに過去に置いてきてしまった気持ちを少しずつ取り戻していきます。
店長のあきらに対する姿は、時に愛おしく、時に切なく感じます。
2.雨の描写
タイトルに『雨』を使っているように、『雨』のシーンが多い漫画です。
雨は登場人物の心情を表すように使われています。
あきらが傷ついた時、落ち込んだ時、つまづいた時などです。
店長と初めて会う前にも雨は降っていました。
そしてもう一つのアイテムは『傘』です。
雨の中、そっと傘を差し出すシーンがいくつか存在します。
実際に雨が降っていて差し出す場合と、
心に雨が降っていて傘を差し出す場合があります。
『雨』と『傘』に注目してみていくと、より面白く感じるでしょう。
3.心に響く言葉
自分の何気ないひとことが、誰かの心を揺らしている。
「恋は雨上がりのように」2巻より
恋をした相手のひとことで一喜一憂することあります。
あきらは店長のひとことで喜んだり、落ち込んだりと表情を変えます。
誰かを好きになると感情を隠せなくなる姿があきらの表情で描かれています。
このフレーズは恋愛に限ったことではないと思います。
良い意味でも悪い意味でも、自分が発したひとことが誰かに影響を与えることがあります。
文章で見ると普通のフレーズに見えます。
しかし、アニメで初めて聞いたときから私の心に残っているフレーズです。
そしてこのフレーズは、物語が進んでいっても私の中では何度も思い出してしまうフレーズです。
店長からあきらへのひとこともそうですが、あきらから店長へのひとことでも同じことがいえます。
このフレーズを思い出しながら漫画を読んでみて欲しいです。
2.漫画を読んで私が惹かれたポイント
すでに漫画を読んだことがある人は、漫画をふり返るきっかけに読んでみてください。
まだ漫画を読んだことがない人にはネタバレにならないよう書いています。
さらっと流し読みしてください。
そして、もし漫画を読んだ際は、「あ、このシーンのことを書いていたんだなぁ」と、ぜひふり返りに来てください。
2018年4月上旬の時点で、漫画は9巻まで発売されています。
あまり内容を書きすぎると楽しみがなくなるかもしれないので、5巻までそれぞれの巻ごとに印象に残ったシーンを書きました。
1巻
普通にしている時でも不愛想な印象にとられてしまう、あきら。
そんなあきらも時々、恋をする女の子の表情を浮かべます。
恋をすると女の子は自分の見た目などを色々と気にするようになるのですが、それが表現されているのが病院でのシーンです。
男性には理解しにくいところかもしれませんが、女性ならあきらのあの行動に共感できると思います。
2巻
あきらが自分を好きになったことが本当のことだと気づいた店長。
あきらと一緒にいるときに青春のころを思い出すかのように店長の若いころの姿が出てきます。
あきらのことを気にしつつも、現実の自分と葛藤している姿が印象的です。
特に二人のデートシーンがそうですね。
あきらの店長に対する態度と他の人への態度の違いもはっきりしていておもしろいです。
3巻
女子高生のあきらから見た店長はすごい人に見える。
でも店長からすれば自分はどこにでもいるただのおじさん。
ふたりの気持ちの違いがはっきりし、店長のふと出たひとことであきらは傷ついてしまいます。
あきらの気持ちを表すように雨が降り始めるシーンが印象的です。
4巻
あきらが店長に気持ちをぶつけ、ふたりの距離が縮まるところがキュンとします。
男性目線だとこのシーンをどう感じるのかは気になります。
あきらと店長、それぞれが抱えている友情や青春の問題について、お互いが影響を与え、すこしずつ良い方向へ動き出そうとしています。
恋だけではない、ふたりがそれぞれ得るものがあるのがこの作品の魅力です。
4巻ではそれを感じることができるようになってきます。
5巻
アニメ第10話であきらと店長が古本市へ行く前の話が描かれています。
同じファミレスで働く男性、加瀬はあきらに対して何かとちょっかいを出してくる人ですが、この巻を読むと加瀬の印象が少し変わってきます。
あきらが光に向かって進めるように、背中をそっと押してあげるシーンがよかったです。
アニメでも放送して欲しいなぁと思う内容でした。
6巻以降は、ふたりのお互いを想う気持ち、夢、友情、ふたりの周囲の人の恋など、少しずつ進んでいきます。
10巻が最終巻となるのですが、ふたりがどうなっていくのか楽しみです。
3.アニメと主題歌
色と音の付くアニメは、この作品をより素敵に飾ってくれます。
静かな音楽のように自然とストーリーが流れていきます。
また、店長の発する小説の一文のようなひとことが耳に残ります。
漫画の内容すべてがアニメで放送されていたわけではないですが、アニメでは漫画の良いところが十分に伝わってきます。
私自身、この作品はアニメから入りましたが、アニメを観るのが毎週楽しみで、毎週この作品に心を打たれていました。
主題歌もこの作品を引き立てていました。
オープニングもエンディングもどちらも雨をテーマにした曲です。
明るい曲調のオープニングと、しっとり流れるエンディング。
特にAimerさんの曲は、観終わったあとにしっくり残ります。
深夜のアニメなので録画して翌日観ていたのですが、毎回エンディングが終わるまで流していました。
エンディングまで聴いて一つの作品だと感じました。
オープニングテーマ曲
エンディングテーマ曲
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4.2018年5月に実写版映画が公開
2018年5月25日、小松菜奈さんと大泉洋さん主演で実写版映画が公開されます。
店長役に大泉洋さんというのはピッタリだと思います。
さえない感じの雰囲気をうまく演じてくれそうです。
映画でどんな風にこの作品を表現していくのか楽しみです。
公式サイトでは予告編なども観れますので興味のある方はご覧ください。
5.最後に
「恋は雨上がりのように」は大人のあなたに読んで欲しい漫画です。
楽しいこと、辛いこと、色々なことを経験してきた人が読めば、必ずどこかで共感できるところがあると思います。
読む人の性別、年齢、経験など人によってこの作品の感じ方は違うでしょう。
いろんな人の感想を聞いてみたいものです。
特に男性の感想など興味があります。
きっと私と違う感じ方があるのかなぁと思います。
アニメの放送が終了し、漫画の最終巻ももうすぐ発売、映画の公開も控えている話題の作品です。
ぜひ手に取ってみてください。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
「恋は雨上がりのように」に興味を持つ人が少しでも増えるといいなぁ♪
最終巻を読んだ感想記事もアップしました。